1.原始・古代  A.はじまり~古墳時代

 

年表

1世紀

 57年 奴国の王の死者が後漢の都洛陽に赴き、光武帝から印綬を受ける

2世紀

 107年 倭国王帥升等が生口160人を安帝に献じる

 239年 卑弥呼、魏の皇帝に使いを送り、「親魏倭王」の称号と金印を得る

 313年 高句麗楽浪郡を滅ぼす

 391年 辛卯(しんぼう)の年

 478年 倭王武の上表文、安東代将軍

 1877年 アメリカ人モース、大森貝塚の発掘調査

 

文化

石器時代の文化

 狩猟および採取が主な生活である文化

 

【遺跡】

 岩宿遺跡(群馬) 相沢忠洋によって石器が発見される

 白滝遺跡(北海道) 旧石器時代の終わり頃

 鈴木遺跡(東京)

 砂川遺跡(埼玉)

 月見野遺跡(神奈川)

 置戸(おけと)安住遺跡(北海道)

 

【狩猟・採取】

 ナイフ形石器、尖頭器(せんとうき)などをつけた石槍を用いる

 獲物はナウマンゾウ、オオツノジカ、ヘラジカなどの大型動物

 植物性食料を採取

 

【石器】

 打製石斧(せきふ)

 ナイフ形石器

 尖頭器

 細石器

 

【生活圏】

 獲物や植物性の食料を求め、小河川の流域など一定の範囲内を移動

 住まいはテント式の小屋

 10人前後の小規模集団

 遠隔地から石器の材料を手に入れて分配する部族的な集団も形成される

 

縄文文化

 地球が温暖化しするなどの自然環境の変化に対応した文化

 

【特徴】

 増加する中・小型動物を射止める狩猟具の弓矢

 主に植物性食物を煮るために用いられた土器

 磨製石器の出現

 亜寒帯性の針葉樹林→ブナやナラなどの落葉広葉樹林(東日本)、シイなどの照葉樹林(西日本)

 大型動物→小型動物

 黒曜石やヒスイなど、遠方の集団と交易を行う

 

【遺跡】

 三内丸山遺跡(青森)

 

【狩猟・採取・漁労】

 弓矢や落とし穴を用いた狩猟がさかんになる

 獲物は主に二ホンシカとイノシシ

 クリ、クルミ、トチ、ドングリなどの木の実やヤマイモの採取

 クリ林の管理・増殖

 ヤマイモなどの保護・増殖

 マメ類、エゴマヒョウタンなどの栽培

 一部でコメ、ムギ、アワ、ヒエなどの栽培も始まる

 海面上昇のため漁労が発達

 骨角器や網、丸木舟を利用

 

【石器・骨角器】

 石鏃

 石匙

 打製石斧

 磨製石斧

 釣針

 銛 

 

【土器】

 縄を転がしてつけた文様をもつものが多い

 低温で焼かれた厚手で黒褐色のものが多い

 草創期→早期→前期→中期→後期→晩期の6期に区分される

 

【生活圏】

 定住的な生活が始まり、竪穴住居を営んだ

 集落は日当たりが良く、飲料水の確保に便利な水辺に近い台地

 竪穴住居4~6軒程度の世帯からなる20~30人ほどの集団で生活

 男性が狩猟や石器づくり、女性が木の実とりや土器づくりを行う

 

【思想・習慣】

 アニミズム 自然物や自然現象に霊威が存在するという思想

 呪術的風習 土偶、石棒、抜歯(通過儀礼として)

 屈葬 生者に災いを及ぼすことを恐れたため

 

弥生文化

 灌漑や排水用の水路を備えた本格的な水田ができ、田植えが始まった文化

 

【遺跡】

 板付遺跡(福岡)

 吉野ケ里遺跡(佐賀)

 唐古・鍵遺跡(奈良)

 紫雲出山遺跡(香川)

 纏向遺跡(奈良)

 

【農業】

 耕作に木製の鋤(すき)や鍬(くわ)、脱穀に木臼と竪杵(たてぎね)が用いられる

 石包丁による穂首刈りが行われる

 収穫物は高床倉庫に貯蔵

 木製農具の製作には、初めは磨製石器、しだいに斧などの鉄製工具が使用された

 前期は湿田、中期以降は乾田開発が行われる

 

【住居・集落】

 竪穴住居→掘立柱の高床倉庫や平地式建物

 濠や土塁をめぐらした環濠集落や高地性集落ができる

 

【墓】

 共同墓地ができ、土壙墓(どこうぼ)や木棺墓、箱式石棺墓などに伸展葬したものが多い

 九州北部では支石墓を営んだり、大型の甕棺に葬られたものがみられる

 方形周溝墓、楯築墳丘墓(岡山)、四隅突出型墳丘墓(山陰)、甕棺墓(九州北部)

 祭に銅鐸(近畿)や銅剣(瀬戸内中部)、銅矛・銅戈(九州北部)などの青銅製祭器が用いられる

 

【書物】

 「漢書」地理志 楽浪郡に定期的に使者を送る

 「後漢書東夷伝 57年、107年の出来事→金印

 「魏志倭人伝 邪馬台国卑弥呼を女王として立てる

 

邪馬台国

 大人(だいじん)と下戸(げこ)の身分差

 卑弥呼の死後、男の王を経て壱与が女王となる

 近畿説→近畿中央から九州北部に及ぶ広域の政治連合

 九州説→九州北部を中心とする比較的小範囲

 

大陸文化

 朝鮮半島や中国とのさかんな交渉の中で、より進んだ鉄器や須恵器の生産などの技術が渡来人によって伝えられた文化

 

【ヤマト政権】

 大和地方を中心とする政治連合

 前方後円墳が西日本を中心に出現

 竪穴式石室を利用した埋葬施設や、三角縁神獣鏡などの呪術的・宗教的な副葬品をもつなどの画一的な特徴がある

 埋葬品や埴輪から、首長は司祭者的性格から武人的性格に変わったと考えられる

 

【他国との交渉】

 高句麗 中国東北部

 百済 朝鮮半島にあった馬韓

 加耶加羅)諸国 朝鮮半島にあった弁韓

 新羅 朝鮮半島にあった辰韓

 好太王の碑文 朝鮮半島の鉄資源を確保するため、高句麗と交戦したことが記される

 

【古墳】

 箸墓古墳(奈良)

 浦間茶臼山古墳(岡山)

 石塚山古墳(福岡)

 大仙陵(仁徳天皇陵)古墳(大阪)

 誉田御廟山(応神天皇陵)古墳

 

【特徴】

 韓鍛冶部(からかぬちべ)、陶作(すえつくり)部、錦織(にしごり)部、鞍作部などと呼ばれる技術者集団

 漢字の使用 稲荷山古墳出土の鉄剣(埼玉)にも

 

【渡来人】

 西文氏(かわちのふみうじ)

 東漢氏(やまとのあやうじ)

 秦氏(はたうじ)

 王仁(わに)

 阿知使主(あちのおみ)

 弓月君(ゆづきのきみ)

 

【宗教】

 儒教 百済から来た五経博士

 仏教 百済聖明王欽明天皇に伝える

 

【書物】

 帝紀 大王の系譜を中心とする伝承

 旧辞 朝廷の伝承・説話

 ※これらは古事記日本書紀のもととなる

 「宋書倭国伝 倭の五王(讃・珍・済・興・武)が中国の南朝朝貢

 

古墳文化

 

人名

制度

争い

補足

遺跡や遺物の年代測定

 年輪年代法 気温や雨量に左右される年輪幅の変動を利用

 炭素14年代法 生物遺体の放射性炭素14の残存量を測定